正しいことを言っているのに、進まない
会議でよくある光景。
「もっと顧客目線で考えましょう」 「質を上げるべきです」 「戦略的にいきましょう」 「本質的な議論をしたいですね」
どれも間違っていない。 むしろ正しい。
しかし、何も動かない。
なぜか。
抽象で止まっているからです。
抽象は悪ではない
まず前提として、 抽象化は重要な能力です。
・全体を捉える
・本質を抜き出す
・再現性を持たせる
これは仕事に不可欠な力です。
問題は、 抽象「で」終わること。
抽象「から」具体に落とさないことです。
共通点①:具体に降りる責任を避ける
抽象論は安全です。
「顧客満足を高めよう」と言っても、 誰も反対しません。
しかし、
・満足度を何%上げるのか
・何を改善するのか
・いつまでにやるのか
ここまで言うと、 責任が発生します。
抽象で止まる人は、 無意識にこの責任を避けています。
共通点②:粒度を下げるのが苦手
抽象思考が得意な人の中には、 具体化が極端に弱い人がいます。
・話は大きい
・視座は高い
・概念は整理できる
しかし、
「で、明日何をやるんですか?」
と聞かれると止まる。
これは能力不足というより、 思考の訓練不足です。
抽象と具体の往復ができない。
共通点③:実行の現場を知らない
現場感覚が薄い人ほど、 抽象で話をまとめます。
なぜなら、 具体に落とした瞬間に 実行の難しさが見えてしまうからです。
・リソースが足りない
・時間が足りない
・人が足りない
現実に触れるのを避けるために、 抽象で止まる。
共通点④:知的満足で終わる
抽象化すると、 頭は気持ちよくなります。
・整理できた感覚
・理解した感覚
・議論した感覚
しかしそれは、 成果とは別物です。
「分かった気になる」 これが最大の罠です。
抽象止まりが生む組織の停滞
抽象論が多い組織は、
・会議が長い
・合意は曖昧
・アクションが不明確
結果として、
・実行が遅れる
・責任がぼやける
・評価が曖昧になる
優秀な人ほど疲弊します。
抽象を突破する問い
抽象で止まりそうになったら、 必ずこう問うべきです。
・それは具体的に何を指すのか
・数字で言うといくつか
・誰がいつまでにやるのか
・最初の一歩は何か
この4つが出て初めて、 議論は仕事になります。
抽象と具体を往復できる人が強い
本当に仕事ができる人は、
・抽象で全体を掴み
・具体で動かし
・また抽象で修正する
この往復を自然にやっています。
抽象だけでは評論家。 具体だけでは作業者。
両方を行き来できる人が、 成果を出します。
まとめ:抽象は入口、出口ではない
抽象化は思考の入口です。
しかし出口は必ず、 具体的な行動。
正しいことを言うだけでは、 仕事は進みません。
「で、何をやるのか?」
この問いに即答できる人が、 組織を前に進めます。